キリストの光 暗闇にいるあなたを照らし出す

「キリストの光 暗闇にいるあなたを照らし出す」 クリスマスイブ礼拝

宣教要旨 2016年12月24日

ヨハネによる福音書 1章5節と9節       牧師 河野信一郎

クリスマスおめでとうございます。今年の大久保教会のクリスマスイブ礼拝は少し早めの16時半からですが、ちょうど日も暮れてきました。礼拝が終わる頃には外は暗くなっていることでしょう。「イブ」という言葉を「前夜」という意味で私たちの多くは理解していますが、本来は「黄昏時」、「夕暮れ時」を指す言葉です。ですから、私たちは、今ちょうど、そのような時を過ごしているのです。これから夜が深まり、静けさが増してくるわけですが、そのような時に心を静め、神の愛を受け取る最後の準備をする時が今この時であります。この静けさ、心地よい匂い、賛美と音楽の中に私たちは今いますが、これも神が今年のクリスマスにプレゼントしてくださる恵みです。感謝ですね。

神は、私たち一人一人を深く、強く、優しく愛してくださっています。私たち一人一人に平安と喜びと希望を、慰めと励ましと生きる力を与えようとしてくださっています。

聖書は、私たちが形造られ、この世に誕生する前から、神は私たちを愛し、ご計画をもっておられると教えてくれます。これまでも、今も、そしてこれからも神に愛されて生かされる存在が私たち一人一人です。

しかしながら、私たちの多くは神の愛に頼って生きるよりも、自分の知恵と力、富や健康や命を頼りに生きる道を選び、自分の持っている可能性に人生をかけてみようとし、努力の上に努力を重ねて生きるようになりました。自分なりに人生計画や目標を立て、目標を達成するために様々なことを犠牲にしてきました。でも、ほんの些細な事で計画が崩れ、目標を達成することができなくなり、大幅な修正・変更を余儀なくされます。自分の力だけでは防ぎ様のない大きな力で破綻することもあります。

ある人は「諦めが肝心」とすぐに割り切れるのですが、わたしを含めて多くの人はそのようにはいかず、何がいけなかったのかと悩み苦しみ、自分を責めたり、人の所為にしてその人を恨んだりして心の力を消耗して落ち込んでゆきます。人前では嘘の笑顔を振りまく中で、自分に嘘をつき、人にも嘘をつかなければならなくなり、もっと痛みや悲しみや孤独感にさいなまれ、生きる力が沸き上がってこない。どうにか生きてはいるけれども綱渡り状態、暗闇の中を歩んで、何処に向かって歩んでいるのかも分からないまま生きている。わたしを含め、ほとんどの人が闇をもっているのではないでしょうか。とても辛いことです。

あなたは「ブルークリスマス」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。わたしはつい先日、この言葉を知りました。クリスマスは確かに喜びと希望の時、救い主イエスの誕生を祝う時です。街は煌びやかに彩る電飾や何処からとも流れてくる楽しげなクリスマスの音楽。行きかう人たちも何気に幸せに見える。でも、そういう人たちの中にも気持ちがブルーのまま歩いている人がいます。愛する人を失ったり、離れている人。困窮した状態にある人。病いにある人や愛する家族が病いを負って苦しんでいる人。親子関係、夫婦関係、人間関係で行き詰まっている人。看病や介護で疲労困憊の人がいます。あなたもその一人かもしれません。

しかし、クリスマスはむしろそういう人たちのためにあるのです。暗闇の中を歩む私たちを闇の中でも見出し、その中から救い出すために神はイエス・キリストをこの世の光として私たちのもとへお遣わしくださった。それがクリスマスメッセージであり、そのことを喜び祝うことが本当のクリスマスです。

イエス・キリストは神から遣わされた光、私たち一人一人を照らす真の光です。この光は今も暗闇の中で輝いています。

2016年のクリスマス、救い主イエス・キリストが真に光としてこの世に来てくださり、すべての人を照らしてくださっている、そのすべての人の中にあなたも数えられているという神からのメッセージを心にとめてください。私たちを暗闇の中から光のうちに移すために来てくださったイエス・キリストを救い主と信じ、喜びと平安、感動と希望で心満たされましょう。メリークリスマス!