永遠に存続する目には見えないものに目を注ぐ

「永遠に存続する目には見えないものに目を注ぐ」 十月第一主日礼拝 宣教要旨 2017年10月1日

  コリントの信徒への手紙Ⅱ 4章17節〜5章1節        牧師 河野信一郎

 人生というマラソンを走り抜くために心に留めておくべきことをシリーズで聴いてまいりましたが、今回が最終回となります。主イエスを仰ぎ見つつ、主イエスと共に走るという土台の他に6つを示されてきましたが、今回は7つ目のポイントについて第二コリント4章17節〜5章1節から考えてゆきたいと思います。これまでのポイントについては、この要約の最後に添えたいと思いますが、少しだけ16節のことに触れたいと思います。

 「たとえわたしたちの『外なる人』は衰えていくとしても、わたしたちの『内なる人』は日々新たにされてゆきます」とあります。私たちは、時を重ねてゆく中で、肉体的な衰えを実感します。衰えは自然的なことです。この肉体の衰え、限度を受け入れてゆき、創り主なる神に委ねてゆく時、その神が私たちの「内なる人」を日々新しくしてくださり、その恵みを体験してゆくようになります。大切なのは、神が私たち一人一人を内側から新しくしてくださるということ。「日々」というのですから、一気に変えてくださるという訳ではありません。日々ゆっくりと変えてくださる。そのためにいつも共にいてくださると約束してくださる。だから、私たちは勝手に焦ったり、思い煩わなくても大丈夫なのです。主なる神が御言葉である主イエスとご聖霊と共に、日々私たちを新しくしてくださり、残された人生を神と隣人のために生きる者として知恵と力を与えてくださる。その信仰へと招かれている。

 しかしながら、この信仰への招きは嬉しくて感謝なのだけれど、今は受けられないという人も少なからずおられると思います。どうしても躊躇してしまう自分がいて、その理由さえもよく分からずに不安の中におられる方もおられるかもしれません。でも、決してあなたは一人ではないから、大丈夫です。そういう人を神は愛され、招きの御手を差し伸べ続けてくださるのです。

 しかし、確かに大丈夫でないこともあります。つまり、不安と恐れという闇の中を彷徨っていることは大丈夫ではありません。神の愛を躊躇し続けることは大丈夫ではありません。私たちはどうしてなんだろうと考えますが、使徒パウロは17節で、「目の前の一時の艱難に心奪われ、恐れているからだと言うのです。

 ここで注目したいのは、「一時の軽い」艱難ということです。私たちが心奪われ、ストレスをいつも感じ、右往左往している事の多くは「一時的」な事であり、「軽い」ことと使徒パウロは言います。けれども、私たちはそのようには受け止められません。むしろその反対で、今ある苦しみは永遠に続くのではないかと思えるほども重みと苦しみを伴う艱難だと捉えています。艱難には、仕事上のこと、勉学上のこと、育児や介護のこと、老後のこと、病気のこと、お金のこと、人間関係のトラブルなど多種多岐にわたります。しかし、使徒パウロは、「私たちの一時の軽い艱難は、比べものにならないほど重みのある永遠の栄光をもたらしてくれる」といっています。一時的な苦しみ、痛み、悲しみが神を求めるきっかけとなり、神の愛と憐れみを受け、イエスを救い主と信じる恵みが与えられ、永遠の祝福が約束されるから、主イエスから目を離さないで信じ、従い続けなさい。と励ますのです。

 18節に「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです」とあります。人生というマラソンを走り抜けるために心にとめるべき7つ目のことは、目の前にある幾つものトラブル・艱難にではなく、目に見えないけれども主イエスによって約束されている永遠の命、永遠の棲家、永遠の祝福に私たちは目の焦点を合わせて生きてゆこうと使徒パウロは励まします。

 「わたしたちの地上の住処である幕屋、身体が滅びても、神によって建物が備えられていることをわたしたちは知っています。信じています。人の手で造られたものではない点にある永遠の住かです」と5章1節にあります。目の前に立ちはだかる問題や課題によって心折れそうになる時も確かにありますが、それでも主イエスは救い主としていつも共にいて助け、守り、導いてくださり、共に祈ってくださるから、私たちは大丈夫なのです。本当に大丈夫なのです。ですから、このイエスを信じて、このお方から目を逸らさないで従ってゆきましょう。私たちの人生のゴールは、神が待っていてくださる神の御国なのです。

 

人生というマラソンを完走するために心にとめる8つのこと

8 things to remember for finishing the race of Marathon

 

1)主イエスを見上げつつ、主と共に走り、生きる

Fix our eyes on Lord Jesus and run/live with Him

ヘブライ人への手紙 Hebrews  12章1−2節

 

2)神の憐れみのうちに生かされていることを喜び、感謝して生きる

Rejoice and be thankful for God’s Mercy

コリントの信徒への手紙Ⅱ 2 Corinthians  4章1節

 

3)神には忠実に、隣人には誠実に、自分には信実(正直)に生きる

Be faithful to God, sincere to people and honest with self

コリントの信徒への手紙Ⅱ 2 Corinthians  4章2節

 

4)主イエスの僕として生き、隣人に仕える

Live as a servant of Lord Jesus and serve our neighbors

コリントの信徒への手紙Ⅱ 2 Corinthians  4章5節

 

5)傲慢にならず、謙遜に、謙虚に生きる

Not to boast, but live in humility

コリントの信徒への手紙Ⅱ 2 Corinthians  4章7節

 

6)神の愛・憐れみ、主イエスの福音を隣人にお裾分けして生きる

Live sharing the love and mercy of God and the gospel of Jesus

コリントの信徒への手紙Ⅱ 2 Corinthians  4章15節

 

7)内なる人を日々新しくされ、喜びに満たされて生きる

Let God make us new and be filled with gladness

コリントの信徒への手紙Ⅱ 2 Corinthians  4章16節

 

8)目の前のトラブルではなく、永遠に焦点を合わせて生きる

Live staying focus on the eternal thing, not distracted by momentary troubles

コリントの信徒への手紙Ⅱ 2 Corinthians  4章17−18節