2015年8月賛美曲

2015年8月の大久保バプテスト教会の賛美曲 

 地上に平和を 

 暑い夏、今年も8月を迎えました。毎年8月には平和を祈る賛美をと思って選曲をしております。今年は「地上に平和を」という賛美を御紹介致します。この賛美はスコットランド西部に浮かぶ、周囲およそ15キロのアイオナ島の名をとった信仰共同体である、「アイオナ共同体」の中から生まれた賛美です。

アイオナ島は、西暦563年にアイルランドから来た聖コロンバがこの島に宣教活動の拠点を置いたため、古くから宗教的な地域として知られるようになりました。その宣教活動は、ヨーロッパ本土、さらにロシアにまで影響を及ぼしたと言われますが、その拠点であった修道院は宗教改革の時代に破壊され、それ以後、宣教活動は途絶えてしまっていました。

1938年、スコットランド教会のジョージ・マクロード牧師が、理想に燃える若い牧師たちと共に崩壊していた修道院の補修を開始し、それが完成する1963年までの間、補修作業をしながら、新しい信仰共同体の理想について話し合い、この共同体の基本理念ともいうべき5つの柱が生まれました。以後アイオナ共同体では、祈ること、キリスト者としての時間の使い方を考えること、同様にお金の使い方を模索すること、平和を求めること、共に集会を持つことなどが実践されるようになりました。具体的に社会と積極的に関わり、失業した人たち、青少年や女性の問題、エイズなど、現代社会が抱えるさまざまな課題と取り組んでいます。同時に礼拝を何よりも大切にし、新しい祈りや賛美を模索し続けています。アイオナの賛美歌は、このような活動と礼拝の積み重ねの中から生まれてきたものです。そして現在も、ジョン・ベル牧師【1947~ 】を中心として新しい歌が次々と創られ、世界的な注目を集めています。共同体の生活の中から生み出された詞は、現代に生きる私たちに神との出会いをいきいきと語りかけてきます。

今月の賛美「地上に平和を」の原歌詞は、ラテン語で、その言葉はカトリックのミサで用いられるミサ式文、アニュス・デイの中の、Dona nobis pacem が基本になっています。

原歌詞は以下の通りです。

Dona(ドーナー) nobis(ノービス) pacem(パーチェム) in(イン) terra(テーラ)

地上に住む私たちに平和を与えてください

Dona nobis pacem, Domine(ドミネ)

主よ、私たちに平和を与えてください

アイオナ共同体の賛美の創作指針として上げられていることの一つに以下のことがあります。

『詞は机に向かって漫然と書くものではなく、いつでも具体的な出来事や会話などへの洞察から始まらなければならない。』

今月、この賛美を歌う私たちも、彼らのスピリットを受けて、この賛美を歌いつつ礼拝を捧げることを通して、その歩みが「平和を造り出す者」としての具体的な出来事や会話へと導かれていくことを願います。