光の中を共に歩むために

「光の中を共に歩むために」 七月第四主日礼拝 宣教要旨 2016年7月24日

ヨハネの手紙一 1章5〜10節       牧師 河野信一郎

映画「祈りのちから」を通して、わたしたちには「祈り」が必要であることを再認識させられました。祈らないと、日々の戦い、罪の誘惑に勝利することはできません。わたしたちは、それぞれ自分自身のこと、家族のこと、仕事、将来の不安、自身や家族の病気のこと、信仰のこと、いろいろと格闘していますが、この戦いは人との戦いではなく、神からわたしたちを引き離そうとする力・サタンとの戦いです。この戦いは、神が戦ってくださらなければ勝利することができない戦いです。もし、「わたしには戦いが一切ない」という方がおられたら、嘘をついているか、すでにサタンに負けて、完全に支配されているからだと思います。何故ならば、わたしたちに罪を犯した事がないということはないからです。罪と戦い、自分の弱さと戦い、罪をこれ以上犯さないようにと懸命に戦っていると思います。

第一ヨハネ1章8節と10節に、「自分に罪がないと言うなら、自分を欺いており、真理はわたしたちのうちにありません。罪を犯したことがないと言うなら、それは神を偽り者とすることであり、神の言葉はわたしたちの内にありません」とあります。「真理」とは、イエス・キリストであり、神の愛であり、罪の赦しであり、神の義(正しさ)、また神につながる道です。

7月に入って教会フェイスブックに「全能神教会」という中国の新興宗教の日本人会員から複数の投稿がありました。この教会は、「主イエスはすでに再臨された」と宣言していますので、明らかに「異端」です。もし主イエスがすでにこの世に再臨されておれば、わたしたちは教会に集って礼拝する必要はありません。今、多くの異端が身分を隠して教会に押し寄せていますが、この戦いに勝利するためにわたしたちに必要なことはいったい何でしょうか。

それは第一に、神とキリスト・イエスにしっかりとつながり続け、親しい交わりを更に強く持ってゆくことです。つまり、聖書に聴き、御言葉に励まされ、主イエス・キリストの御名によって神に祈り、神にすべてをお委ねして神に戦っていただくしか方法はないのです。

ヨハネの手紙は、異端と不道徳が入り込んできた複数のキリスト教会に書き送られたものです。2000年前のキリスト教会でも、異端の考えを持つ者たち、不道徳な生活に身を染める人たちが存在していました。異端の人々は、「イエスはキリスト・メシヤではない」とか、「神の子が卑しい肉体をとってこの世に来て、呪いの木・十字架に架けられて死ぬはずはないし、三日目に甦るなんてあり得ない」と福音を否定していましたから、ヨハネは正しい福音をクリスチャンたちに示し、彼らを異端や不道徳から守るためにこの手紙を書き送りました。サタンとの戦いは、神に100%信頼することと主イエスの御名によって祈ることから始まり、わたしたちが勝利するのではなく、主なる神がサタンに勝利されるのです。この信仰と祈りの中心は、神との親しく、深く、強い霊的交わりです。3節に、「わたしたちが見、また聞いた事を、あなたがたに伝えるのは、あなたがたもわたしたちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです」とあります。ですから、どのような時、試練の中に置かれてもわたしたちが大切にすべきことは父なる神との親しい交わり、救い主との交わりです。イエス・キリストにつながっているということは、つまり主イエスとの交わりの中にあるということです。この主につながり続けることによって、わたしたちは神が喜ばれる実を日々結び続けるために必要な栄養が与えられてゆきます。

5節にわたしたちが聴くべき御言葉・福音があります。「神は光であり、神には闇が全くない」ということです。そしてこの光とは、イエス・キリストであり、このキリストを信じなさいと招かれているのです。なぜ主イエスが光なのか。ヨハネによる福音書8章12節で主イエスは「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」と言われました。この主イエスが「わたしを信じなさい」と今朝わたしたちを光の中に救いへと招いて下さっています。この主イエスがわたしたちを闇から救い出し、光のうちに生きる力を与えてくださいます。

わたしが15年間使用している腕時計は、時計の表面を光に当てさえしていれば内蔵電池に蓄電され、電池交換が不要で、半永久的に使用できるもので重宝していますが、4・5日光に当てないと時計の使命であり目的である「時を刻む」ということができなくなってしまいます。それと同様に、わたしたちも神の愛、イエス・キリストという光が常に必要なのです。この光のうちに歩み、この光から力を受けとらないと、わたしたちは神の喜ばれる実を結ぶことができないのです。

あなたはこの光を今お持ちでしょうか。光のうちに生かされているでしょうか。光も持たずに暗闇の中、苦しみと悩みと不安という闇の中を歩んでおられないでしょうか。もしそうであって、光のうちを歩みたいと願われる方は次の4つのことをしてください。

1)イエス・キリストを信じて、光への招きに応えてください。

2)今まで暗闇の中を生きて来たことを認め、罪を犯して生きていたことを正直に認めて、その罪を主イエスに委ねてください。罪がない人は一人もいないのですから。

3)そして9節の「自分の罪を公に言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、罪を赦し、あらゆる不義からわたしたちを清めてくださいます」という言葉を信じてください。

4)そして最後に、ご自分の言葉で神にお祈りしてください。ありのままの自分で、自分の言葉で神に祈ってください。主イエスがあなたと共にいて、神に祈る言葉を教えてくださいます。

主イエスは、わたしたちを闇から光へと導き出し、共に歩んでくださるためにわたしたちの近くに来て下さいました。この救い主は昨日も、今日も、そして明日も共にいてわたしたちを守り導き、祝福をお与えくださいます。この恵みに感謝して生きてゆくことが信仰生活です。世の光である主イエスがわたしたちといつも共に歩んでくださいます。