「忠実に、誠実に、信実に生きる」 元旦礼拝 宣教要旨 2015年1月1日
テサロニケ人への第一の手紙5章14〜24節 牧師 河野信一郎
新しい年が始まりました。この一年、わたしたちは様々な計画を立て、目標達成のために最大限の努力を惜しまないでしょう。また、この一年、どのようなサプライズがわたしたちを待ち受けているでしょうか。大小様々なチャレンジがこの年もあると思います。しかし、いつも心に覚えておくべきこと、それは主なる神にはマスタープランがあるということです。「人の心には多くの計画がある。しかし、ただ主のみ旨だけが堅く立つ」と箴言19:21にありますが、リビングバイブルは「その成り行きを決めるのは神さまです」と訳しています。神に造られ、生かされ、愛されているわたしたちがこの2015年を歩み出してゆく中で大切にしなければならないこと、それは主なる神に全幅の信頼を寄せてゆくことです。詩篇37篇5節にあるように、主に信頼してゆけば、神はわたしたちの道を最善なものへと導いてくださいます。
さて、元旦の日には大勢の人たちが神社仏閣へ初詣に押し寄せ、色々なことを祈願しますが、大まかにいって「この年がより良き一年となるよう」にとみんなが祈っておられるとニュースが伝えていました。しかし、同じニュースで「17万人が未だに仮設住宅に住む事を余儀なくさせられている」と報じられました。わたしたちは、この事実と向き合い、祈る必要があります。
2014年を振り返り、2015年について考えている時に強く感じさせられたことは、わたしたちの思いではなく、つまりわたしたちがどのように生きたいかではなく、神さまがわたしに、そしてわたしたちにどのように生きて欲しいかを祈り求めるべきであって、最優先にされるべきことではないかということです。わたしたちの心には多くの思いや願い、計画がありますが、神の思い、願い、計画のみが堅く立つということは、簡単に云えば、すべての事柄の最終的な決定権は神にあるということです。しかし、主なる神はわたしたちの思いや願いを無視される方では決してありません。神はわたしたちを愛し、わたしたちのために最善の道を備えてくださる方で、わたしたちをその方向へ導くために、わたしたちの行く手を時に阻んで待たせたり、他の道を行かせたりします。また、わたしたちに不必要なものを時に取り去られます。確かに足止めさせられたり、道を迂回させられたり、後戻りすることは辛いことです。しかし、神はわたしたちが歩みたい道ではなく、神がわたしたちに歩んで欲しいと願っている道へと導かれます。ですから、わたしたちに大切なのは神に信頼して主の導きに従うことです。
神は今年、わたしたちにどのように生きて欲しいと願っておられるでしょうか。今回の聖書箇所の16節から18節に「いつも喜び、絶えず祈り、すべてに感謝しなさい。それが神の求めておられること」とあります。確かにこの３つは大切ですが、他にも大切なことがあります。14節から勧められていることに目を止めましょう。すなわち、わたしたちが互いに戒め合い、励まし合い、助け合うことが兄弟姉妹の中で大切だと言っていますが、そのように生きるためにはすべての人に対して「寛容」に、「愛をもって接すること、優しさ」が必要だと云うのです。この新しい年をより良い年にする方法、それはわたしたちが互いに優しくなることです。みんなに対して「いつも善を追い求めなさい」とありますが、互いに喜び合える、感動し合える、愛し合える道を常に追い求めなさいということです。そのために「御霊を消してはいけない」(19節)のです。また預言という神の言葉に聞き従うことを軽んじてはいけないのです(20節)。
この時代に生きてゆくために大切な力、それは何が善で何が悪かを識別できる力です(21節)。わたしたちは物事を選択する時の基準として自分の価値観を用いますが、その価値観の土台を主イエスの言葉にしてゆく時、最善の道が主によって備えられ開かれてゆきます。
この新年をより良い年にするために心がけるべき事を三つお伝えします。一つ目は、わたしたちを愛してくださる神と主イエスを信じて、忠実に生き、委ね、仕えてゆくこと。二つ目は、隣人に対して、また兄弟姉妹たちに対して誠実に生き、仕えてゆくこと。三つ目、これが非常に重要ですが、神に愛され大切に思われている自分を大切にし、頑張りすぎないで、信実に生きることです。つまり自分に嘘をつかない、自分の心を傷つけない、気持ちや時間に余裕を持ち、自分を労ること、健康に気を付けることです。自分に信実に、周りの人に誠実に、そして神と主イエスに忠実に生きる人は、どのようなことがこの年にあったとしても、いつも喜び、絶えず祈り、すべてに感謝していきてゆくことができるでしょうし、そのように主がしてくださると信じます。何故ならば、わたしたちを愛してくださる主がいつも共にいてくださり、守り導いてくださるからです。
「どうか、平和の神ご自身が、あなたがたを全くきよめて下さるように。また、あなたがたの霊と心とからだとを完全に守って、わたしたちの主イエス・キリストの来臨のときに、責められるところのない者にして下さるように。 あなたがたを召されたかたは真実であられるから、このことをして下さるであろう。」(23〜24節)