「救い主に出会った羊飼いたち」 クリスマスイブ礼拝 宣教要旨 2013年12月24日
ルカによる福音書2章15〜16、20節 牧師 河野信一郎
神がわたしたちをイブ礼拝に招かれたのは、神の愛でわたしたち一人ひとりの心を芯から温めたいからです。神が「あなたを愛しているよ」とあなたに直接伝えたいからです。わたしたちは、神に愛されている存在です。そのことを今夜知っていただきたい。神は「あなた」を深く愛しておられます。しかし、あなたの心は今ほっかほかに暖かいでしょうか? 心は平安でしょうか? わたしたちの心の最も深い部分、心の芯はどのように温められるのでしょうか? わたしたちの心の最も重要な深い部分を温めることができるのは、神しかおられないのです。
幼子イエスがお生まれになられた出来事が最初に知らされたのは、ベツレヘムの町外れで野宿しながら羊の群れの番をしていた羊飼いたちでした。彼らは、夜の真っ暗闇の中で、羊を守る仕事をしていました。あなたは夜勤のお仕事をされたことがあるでしょうか? 夜の勤務は、あまり割に合わない仕事、孤独な仕事です。羊飼いの仕事は、夜を徹する仕事、誰からも認められない、感謝されないような仕事でした。彼らの心の状態は、どうであったでしょうか?
神は、救い主の誕生をそのような羊飼いたちに御使いを通して最初に伝えたのです。羊飼いたちは突然御使いが現れ、神の栄光が彼らをめぐり照らしたので、非常に恐れました。しかし御使いが彼らに「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救い主がお生まれになった。このかたこそ主なるキリストである。あなたがたは、幼子が布にくるまって飼い葉桶の中に寝かしてあるのを見るであろう。それがあなたがたに与えられるしるしである」と告げ、羊飼いたちに「今すぐあなたがたのためにお生まれになった救い主に会って来なさい」と励ましました。
神が羊飼いたちを主イエスのもとへ招くのです。イエスとの出会いが、彼らの心を、心の奥底の冷えきった部分を暖めることのできる唯一のお方であったからです。この招きに羊飼いたちは応えて立ち上がり、「御使いたちが離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは『さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせくださったその出来事を見てこようではないか』と、互いに語り合い、そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉桶に寝かしてある幼子を探しあて」、救い主に出会うことができたのです。また「羊飼いたちは、見聞きしたことが何もかも自分たちに語られたとおりであったので、神を崇め、また賛美しながら帰って行った」と20節に記されています。「見聞きしたことすべてが語られたとおりであった」ということは、彼らにとって驚きであったのでしょう。いつも社会から疎んじられ、人々には言い様に利用され、社会の中でも信頼もあまりなかった羊飼いたちは、いつも騙され、からかわれた体験もいっぱいしていたのでしょう。しかし、彼らの見聞きしたことすべてが語られたとおり、本当であった。「自分たちの救い主が本当にお生まれになったのだ」という真実を初めて知った時、羊飼いたちは神に愛されていることを初めて体験したのです。「あなたたちは、わたしにとって大切な存在だよ。あなたを愛しているよ」と神は羊飼いたちに伝え、そして今夜のイブ礼拝の中で私たちにそのように伝えるのです。「あなたを愛しているよ」と言って、わたしたちの心を芯から暖めるために、神はイエス・キリストを救い主としてプレゼントしてくださいました。
神は、イエス・キリストを通して、神の愛と喜びと平安と希望という贈り物でわたしたちの心を満たしてくださいます。わたしたちのただ唯一大切な応答、それはわたしたちの心を神に開いて、イエス・キリストという神からの愛を心に招き入れることです。メリークリスマス!