2017年4月の大久保バプテスト教会の賛美曲
新生讃美歌322 主イエスのみ前に
いよいよ2017年度を迎えました。レント(受難節)の中で迎えた4月の第2主日には受難週、そして第3主日には喜びのイースターを迎えます。そのような中、ご一緒に歌う今月の賛美として、新生讃美歌322番「主イエスのみ前に」を選びました。私たちは毎主日、主の十字架と復活を憶え、礼拝を捧げておりますが、特にこのレント、イースターを迎えるシーズン、共に賛美するのにふさわしい賛美歌なのではないかと思います。
この賛美の詞は1905年、チャールズ・ H・ ガブリエルが39歳の時に作られました。ちょうど彼がシカゴに移り住み、たくさんの作品を生み出し始めたころの作品です。英語の原詞は、5節までありますが、新生讃美歌には、そのうちの1、2、4、5節が選ばれ、訳されています。特に2節の歌詞は、ルカによる福音書22章44節「イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られた。汗が血の滴るように地面に落ちた。」というみ言葉を想起させられます。ゲッセマネで祈られた祈りはわたしたち一人一人のためでした。そして「わたしの願いではなく、御心のままに行ってください。」と父なる神に祈られ、十字架の道を歩んでくださったのもわたしたち一人一人の罪を担い、贖い、永遠のいのちの道を開くためでした。そのイエス様の愛に応えて、声を合わせて「あぁなんとすばらしい(英語では、O how marvelous! O how wonderful! おぉなんと驚くべき、おぉなんとすばらしい!)、主イエスの愛よ、救いの喜び、歌い続けよう」と賛美を捧げていきましょう。
- 作詞・作曲 チャールズ. H. ガブリエル (1856-1932)
1856年米国アイオワ州に生まれました。米国福音唱歌の発展のために傑出した多くの作品を書いた功労者の一人です。彼はメソジスト派の両親によって育てられ、彼の音楽への才能も磨かれていきました。そして父親の勧めに従って、シンギングスクールの教師になりました。一度目の離婚を経験した後、1887年、彼が31歳の時、カリフォルニア州に移り住み、再婚し、サンフランシスコにあるメソジスト教会の音楽主事となりました。1892年にシカゴへ引っ越し、出版社に勤め始めました。ちょうどその頃から引退するまで、詩や曲の創作や編曲に熱心に取り組み、7000曲にのぼる歌に加え、聖歌、カンタータなども手がけました。新生讃美歌の中にも彼の作品が4曲採用されています。471番「汚れと恥との」、518番「イエスを信ぜしより」、556番「恵みの高き峰」も彼の作品です。また映画「天使にラヴソングを」でローリン・ヒルが歌った賛美歌「一羽の雀」も彼が作曲した有名な曲の一つです。そのほか、散文詩も数多く書き、賛美歌作家についての本、教会音楽原理学などの哲学書も出版しました。1932年カリフォルニアにて76歳の生涯を終えました。
参照資料 <Handbook to The Baptist Hymnal 1992>
<讃美歌21略解>