2017年6月の大久保バプテスト教会の賛美曲
新生讃美歌363 キリスト教会の主よ
Lord of the Church, We Pray for Our Renewing
6月第1主日(6月4日)は教会暦でいうペンテコステ(聖霊降臨日)を迎えます。ペンテコステとはイースターから50日目に、 キリストの弟子たちの上に天から聖霊がくだり、教会が誕生した日を言います。主イエスの弟子たちが聖霊の力を受けて力強く主を証したように、私たちも御霊に満たされ、主を証しして歩んでいくものとさせてくださいという祈りを込めて新生讃美歌363「キリスト教会の主よ」をご一緒に賛美して参りましょう。この賛美は、2011年のペンテコステ礼拝を捧げた6月にも大久保バプテスト教会の今月の賛美としてお捧いたしました。そのあと、教会創立50周年の節目をこえて51年目、来月には52年目を迎える私たちに、再びこの賛美は大きな励ましと力を与えてくれるでしょう。
この賛美歌は1970年以後に英国に起こったHymn Explosion ヒム・エクスプロージョン(賛美歌爆発運動) の中で作られた賛美歌の一つです。ヒム・エクスプロージョンが起こった背景には、英国で1950年あたりからキリスト教に無関心で世俗化した社会の形成、その影響は教会にも及んで、若者教会離れ、会員数の減少、教会財政の圧迫による教会維持管理と対外的義務遂行の困難を生じ、これに対して教会が一致して対処するためのエキュメニカル運動が起こったこと、また礼拝改革といったキリスト教会の根幹にかかわる重要な問題とも向き合わざるを得なかったことなどがあるといわれています。(横坂康彦著『現代賛美歌ルネサンス』日本基督教団出版社 より)
この賛美歌の中に見られるヒム・エクスプロージョンの賛美歌の特色としては、「恐れと破れ」「疲れを覚ゆる」「かわきを覚えるとき」など、現代を生きる者の現実から目を背けず、歌うことを通して、教会の外で生きる人々の心にも届くような言葉が使われていることがあげられます。
☆作詞者について
Dudley-Smith, Timothy(1926― 英)によって1976年に書かれました。新生讃美歌の中では217番「緋の衣」も彼による詞で、現在までに400以上の賛美歌の詞を書き、英語圏のみならず、翻訳をされ、多くの賛美歌に採用されています11~12歳の頃、神さまからの召命を受け、英国教会で1950年よりミニスターとして仕えはじめ、1992年に引退するまでさまざまな教職を務めました。彼は学校教師をしていた父の影響で詩に関心を持ち、大学時代に詩の創作活動を始めています。彼が賛美歌の歌詞を書く目的は、聖書のことばを委託された聖職者の働きを全うするためであり、次のように語っています。「この本(聖書)を受け取りなさい。ここにこそ永遠の命のことばがあります。聖書の御言葉をあなたの人生の導き手とし、またその御言葉を世に宣べ伝えなさい。」
☆作曲者について
曲はアイルランド民謡の「ロンドンデリーの歌」がつけられている。1913年にイギリスのF・E・ウェザリ(法律家・作詞家)が『ダニー・ボーイ』という詩をこの曲にあてはめ、ニューヨークで発行されました。詩の内容は、出征した我が子を思う母親の心情を綴ったものです。1913年はちょうど第一次世界大戦が勃発した年で、世界中が戦争への予感に不安な日々を送っていました。『ダニー・ボーイ』の大ヒットで、このメロディは一気に世界中に広まったようです。
この賛美の基となる聖書の箇所は、新生讃美歌には黙示録7:17(楽譜の左下)がのっています。そのほかにも、エフェソ1:22、使徒行伝2:2-3、4、ヨハネ4:10-14、イザヤ57:15もベースと考えられています。