2017年7月賛美曲

2017年7月の大久保バプテスト教会の賛美曲

新生讃美歌507 主の手に委ねて

He Leadeth Me! O Blessed Tho’t!

今年の7月、大久保バプテスト教会は創立52周年を迎え、53年目の歩みをスタートいたします。この節目の月にどのような賛美を共に歌えばよいかと祈っていました時に、「主の手に委ねて」という賛美歌が頭に浮かびました。「主の手に委ねて みことばをあおぎ いかなる時にも 主は導きたもう 主の手に委ねて 日々導かれつ み旨のままにぞ われ従い行く」という歌詞が、教会の歩みに重なりました。いかなる時にも主が導いてくださることを信じて「み旨のままにぞ われ従い行く」との賛美の歌詞がわたしたち大久保バプテスト教会の告白となっていきますように。

この賛美の歌詞は、米国人ジョセフ・ギルモアによって書かれました。彼は1862年に神学校を卒業して間もない1862年3月のある水曜日、フィラデルフィアの第一バプテスト教会の夕礼拝で詩編23編からメッセージを語りました。以前にもこの箇所から3~4回のメッセージをする機会がありましたが、この時は、詩編23編3節の「He leadeth me」という言葉が強く彼の心を捉えました。その聖書のみ言が、今まで経験したことがないほど、夢見たことがないほど、なんと不思議で美しい意味がある言葉かと彼の心を揺さぶりました。この時、アメリカ国内では、南北戦争が起こっている暗い時代でした。そのような時代背景の中にあって、神がどのように、またどこへわたしたちを導いているかが理解できなくても、導き続けて下さっている事実に違いはなく、確かに主はそのみ手をもってわたしたちを導いておられることを、彼は詩編23編のみ言を通して深く悟らされました。そしてその説教のあと、「He leadeth me」と、手帳にこの詞を書き留めました。そのメモが彼の妻によってこの賛美歌を最初に出版したボストンにあるバプテスト派の出版会社に送られました。1862年12月4日に発行された賛美歌集にこの賛美歌は掲載されましたが、彼自身は1865年までその賛美歌が、ブラッドベリーによって曲がつけられて出版されていることを知りませんでした。ジョセフがNYのある教会に宣教奉仕のために招かれていった時、そこに置かれていた賛美歌の中に、彼らが歌っている、自分の作詞した「主の手に委ねて」を見つけたのでした。

☆作詞者について

ジョセフ・ヘンリー・ギルモア Joseph Henry Gilmore(1834-1918)

ブラウン大学、ニュートン神学校で学び、同校でヘブライ語を教えました。1862年にバプテスト派の牧師となり、牧会者としても仕えました。

☆作曲者について

ウイリアム・ブラッドベリー William B. Bradbury(1816-1868)

アメリカの音楽家、また教育家としても有名なローウェル・メーソンの弟子。彼自身も才能に恵まれ、多数の賛美歌を作曲した。19世紀米国の教会音楽家として極めてポピュラーな存在となりました。彼の曲は歌いやすくメーソンのものより叙情性が強く、日本のプロテスタント教会で彼の賛美歌が多く愛唱されています。新生讃美歌のなかには、458番いさおなきわれを、430番しずけき祈りの、523番主われを愛す、など10曲が収められています。

なお1954年版の「讃美歌」では、「み恵みゆたけき」という松山高吉氏の訳でこの賛美が収録され、広く愛唱されていました。