2016年3月の大久保バプテスト教会の賛美曲
新生600番 「主はわがいのち」
(初行)Christus der ist mein Leben
(曲名)CHRISTUS DER IST MEIN LEBEN
- 作詞・作曲
Melchior Vulpius (1570?-1615) メルヒオール・ヴルピウス
ヴルピウスの経歴は不明のところが多いです。1570年頃にマイニンゲンの近くのヴァズンゲンの貧しい職人の家庭に生まれました。大学には行かず独学で音楽家になり、1596年にはワイマールのカントール(教会の音楽監督)になりました。ドイツ名はフックスで、ヴルピウスはラテン語風の筆名です。「マタイ受難曲」や「マニフィカート」など多くの作品がありますが、一番高く評価されて歴史に残ったのは賛美歌曲です。ルターとクリューガー(1598-1662)の間のルター派ドイツ語作曲家として重要な人物の一人。彼は2冊の賛美歌集を編纂しました。米国ペンシルベニア州フィラデルフィア近郊に生まれ、同地にて没。多くの賛美歌の詞を手がけました。
この「主はわがいのち」は1609年に出版された『美しい霊的賛美歌集(Ein schön geistlich Gesangbuch)』の中に最初に発表されました。
ドイツ語で書かれた原詞は8節までありますが、新生讃美歌の中ではその中の5節を選んで翻訳されています。全体に死を希望と平安と喜びのうちに迎える信仰を歌ったこのコラールは多くの人に慰めを与えました。ドイツの教会では埋葬の時によく賛美されるそうです。バッハは1723年、このコラールを主題にカンタータ(BWV95)を作りました。新生讃美歌にのっている楽譜は、バッハが和声をつけたもので、讃美歌21の570番にのっているヴルピウスの旋律とは後半に少し違いがあります。
原詞ではタイトルが「キリストはわたしの命(Leben人生)」と書かれています。
1節を直訳しますと、
キリストはわたしの命(人生) 死ぬこともまた益なり
あなたに私自身を捧げます 喜びをもって進みゆきます
今年は2月10日からレント(受難節)の時を過ごしております。また3月は2015年度の大久保バプテスト教会年間テーマを「信仰と希望と愛に生きる教会」として歩む最後のひと月です。信仰をもって十字架を見上げ、復活の希望と、イエスさまがあらわしてくださった愛に喜んで応え、私たちがいのち(人生)をかけて従っていくことができますように祈りつつ。