2017年3月賛美曲

2017年3月の大久保バプテスト教会の賛美曲 

 新生讃美歌419 主のことばにより(B)

今年も3月1日よりレント(受難節)を迎えました。主の十字架を憶え、「わがために割かれし主のみからだ、流された血しお」を想い、新生讃美歌419番「主のことばにより(B)」を共に賛美してまいりたいと思います。

この賛美の詞は1825年、ジェームズ・モンゴメリーが54歳の時に書かれ、クリスチャン詩人の詩集の中に掲載されました。原詞は、各節4行の詞が6節まであります。新生讃美歌には、そのうちの1、2、5、6節が選ばれ、訳されています。冒頭の「主のことばにより」とは、ルカによる福音書22章19節とコリントの信徒への手紙Ⅰ 11章24節の言葉、つまり、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた「わたしの記念としてこのように行いなさい。」という言葉を指します。これは皆さまもよくご存知の主の晩餐の場面であり、晩餐式などの時に年間を通して歌うことのできる賛美歌です。と同時に、一年の中でも特に、主の十字架を想うこのレントの時期、柔和で謙遜な思いの中で、主の味わわれた痛みと主が示してくださった愛を、この賛美を通して深く悟るひと月となりますように。

  • 作詞 ジェームズ・モンゴメリー (1771-1854)

1771年スコットランドに生まれました。彼はモラヴィア派の伝道者の息子で、7歳のとき、同派の神学校に送られました。しかし、彼は詩の創作に夢中だったため、16歳のとき学校をやめて商店に勤めながら、文筆活動を続けました。1792年にイギリスで進歩的な新聞、The Sheffield Registerの編集に携わり、そのオーナーが去った後はThe Irisと改題して主宰者となり、30数年間その編集に携わっています。彼自身も報道に絡んで投獄されたりしていますが、400を超える賛美歌を書き、外国伝道や聖書事業を支援して晩年には王室年金を授けられています。また葬儀は市の公葬であり、イギリスのシェフィールド大聖堂に葬られました。そして長年の功績をたたえ、彼の墓地には銅像が建てられたということです。

  • 作曲 ヒュー・ ウィルソン (1766-1824)

1766年 スコットランドに生まれました。村の学校で教育を受けましたが、独学で音楽と数学の知識を習得し、日時計のデザインも学びました。また彼の父親からは靴作りの技術も教わりました。彼は音楽を含む、様々な教科を教え、副収入としていましたが、1800年以降は、カリキュラム作りや教案作りを仕事としました。教会員として熱心に教会に仕え、聖歌隊を指導しました。また村の中で日曜学校を設立したりもしました。彼の作曲、編曲した賛美歌はいくつかありますが、賛美歌集に掲載され、出版されているものはこのAVON <主のことばにより(B)の曲>、ただ一曲です。新生讃美歌225番には、彼のこの同じ曲に、アイザック・ウォッツの詞がついた「主イエスは尊き(C) 」があります。

参照資料 <Handbook to The Baptist Hymnal 1992> 

<讃美歌21略解>