2017年11月 大久保バプテスト教会の賛美曲
新生讃美歌545 岩なるイエスは
先月から、「イエス・キリストがどのような方であるのか」をテーマに、私たちは聖書のみ言葉から聞いています。その中で河野牧師が11月にはこの賛美を、と選んでくださったのが、新生讃美歌545番「岩なるイエスは」です。この賛美の作詞者ファニー・クロスビーによって「イエスはどのような方である」と告白されているでしょうか。賛美の歌詞を深く味わいつつ、共に一か月賛美して参りましょう。
この曲は、1890年にウイリアム・J・カークパトリックによってまず作曲され、その曲にファニー・クロスビーが後から、詞をつけました。それまでもカークパトリックとクロスビーは何度も一緒に賛美歌を作っていました。その日、カークパトリックは、クロスビーを見ると立ち止まり、言いました。「ファニー、ちょうど、新しい曲を作曲したところで、これを歌いやすい賛美歌にしたいのだ。そして今、その歌詞を必要としている。「確信」をテーマにしたものにしたい。私たちが完全に信頼するべきものは神様であることの「確信」をあらわすものに。」
カークパトリックは、ピアノでその旋律を弾き始めると、ファニーは祈りつつ、彼女の中に聞こえてくる聖書のみ言葉をまとめようと目を閉じました。そして彼女は顔を上げると同時に彼女の心から賛美の歌詞が流れ出て、この賛美歌の歌詞ができました。
この賛美歌の構想の背景となった聖書の箇所として、出エジプト33:21-22があげられています。
「主は言われた。『見よ、一つの場所がわたしの傍らにある。あなたはその岩のそばに立ちなさい。わが栄光が通り過ぎるとき、わたしはあなたをその岩の裂け目に入れ、わたしが通り過ぎるまで、わたしの手であなたを覆う。』」(出エジプト33:21-22)
- 作詞者 Fanny. J. Crosby (ファニー・J・クロスビー)1820-1915
ニューヨーク州の質素な家に生まれました。父は彼女が1歳にならぬうちに死亡し、母親と、近くに住む信仰深い祖母に育てられました。彼女は生まれて6週間経ったとき、医療ミスにより失明しました。母親の嘆きは深いものでしたが、ファニーが物心つくと、世界的に有名な詩をたくさん読んできかせました。また彼女の祖母は豊かな詩人の心をもっており彼女に自然と精神の世界のすばらしさを教えたのです。彼女は驚くほど繊細な感受性と、豊かで激しい感情をもつ少女でしたので祖母の語る言葉の世界を心にたくさん蓄えていきました。また視力を奪われた代償として彼女には驚くべき記憶力が与えられていました。少女のときに、旧約聖書の始めのモーセ5書、詩編の多くの箇所、箴言、雅歌、ルツ記と、新約聖書の多くの部分を暗記しており、礼拝、集会などで誤りなく引用し歌ったといわれています。盲学校で学んだ後、盲学校の教師となり働き、その余暇に詩作に励んでいました。そして世俗の詩人として有名になっていたファニーが44歳の時に、「主われを愛す」などの賛美歌を書いたことで有名なブラッドベリーに主を賛美する詞を書くようにすすめられ、その後、生涯で8500~9000曲も賛美歌の詞を書いたといわれています。彼女は、自分の目では見ることができませんでしたが、心の目で見ることができました。彼女は人がどのような顔をしているのかを表現することはできませんでしたが、神様のみ顔を知っている人でした。
- 作曲者 William J. Kirkpatrick (ウイリアム・J・カークパトリック) 1838-1921
ペンシルベニア州にアイルランドからの移民の息子として生まれる。早くから父親より音楽の教育を受け、フルートやヴァイオリン、チェロなどを習得しました。21歳の時に最初の賛美歌集を出版。結婚後、野外集会での賛美奉仕や日曜学校の教師として働きました。1878年より、音楽の仕事に専念するようになり、教会の音楽監督としても仕えました。クロスビーとは1000曲近い賛美歌を作り、出版しました。